紅茶にまつわるアンティーク ~はじめての茶漉し「モートスプーン」~

2014/05/07
紅茶にまつわるアンティーク ~はじめての茶漉し「モートスプーン」~

モートスプーン は、1697年頃から使われ始めた、紅茶用に作られた特別なスプーンです。紅茶専用の銀の茶道具としては、ティーポットと同じくらい古い茶道具です。


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では、このモートスプーンの使用方法を説明しましょう。一つ目の使い道は、粉茶が入っている茶葉を取り扱う際に、このスプーンですくい上げ、茶葉の粉茶の部分を穴から落とすこと。そして次にティーポットの注ぎ口に茶葉が詰まった際に、スプーンの後ろの尖った部分で茶葉をクラッシュし、取り去ること。最後の使用用途は、ティーカップ(当時はハンドルのないティーボウルが使用されていました)の中に注いだお茶に浮かぶ茶殻を、ボウル部分で取り除くことです。

モートスプーンはいわば初期の茶こしです。当時お茶はとても高かったため、モートスプーンもオートクチュールで作られました。そのためモートスプーンはボウル部分のピアス細工の加工が一本一本異なります。中には、家紋をピアス細工で表現する家もあったそうです。Cha Tea 紅茶教室には現在13本のモートスプーンがありますが、ピアス細工は全て異なります。


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モートスプーンはジョージアン王朝までしか制作されていないため、1700年代のティーテーブルを象徴する茶道具になっています。美術館やアンティークショップで見かけたらぜひ注目してみて下さい。


Photo&Text:
ChaTea紅茶教室

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