アンティーク ~ヴィクトリア朝の恋愛を彩った「ヴィネグレット」~

2014/01/01

ヴィネグレットというと、「酢」という意味になりますが、本日ご紹介する「ヴィネグレット」は「気付け薬入れ」です。昔の本を読んでいると、西洋の貴婦人は舞踏会の最中や、何かショックなことがあるとすぐに倒れたなんて記述がよく見られますよね。

女性のファッションにコルセットが欠かせなかった時代、夜会の時など締め上げられたコルセットの苦しさと、蝋燭の熱気や二酸化炭素に耐えきれず気を失ってしまう女性が続出しました。本人の意図することなく倒れてしまう女性も、演技で倒れる女性もいましたが、女性は守るべき存在でか弱く儚げであることが望ましいとされていた時代ですので、女性の失神は恋の切っ掛けにもなったと言われています。

そこに登場するのが救世主の紳士。窮地に陥った女性を救うために隠し持っていた「ヴィネグレット」を取り出します。中には酢酸や強い香料などが染みこんだ綿が入っており、蓋を開け倒れた女性の鼻に当てて正気を取り戻させるのです。


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多くの人に注目される救出劇ですので、その場にいる誰からも「紳士」としての美的センスや財力を認められるようなものが好まれました。「ヴィネグレット」は、上流階級の人々しか持つことができなかったため、今では希少なアンティークとなっています。

もし手にする機会がありましたら、そっと蓋をあけて鼻を近づけてみて下さいね。もしかしたら、歴史の残り香を感じることが出来るかも知れません。


Photo&Text:
ChaTea紅茶教室

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